
自立性の確立/動作と移動すること:
「遊び」や「日常生活での経験」を通し、感覚器の発達や環境への適応を無意識の内に促進していくことは、子どもの発達にとって非常に有効的なことです。子どもが自立する課程において、「動作」や「移動する」ということは「発達過程での基本的なゴールの一つ」と言えます。
リハビリテーションのゴール...その1
「遊び」から自立性を確立
友達と共に活動し、共に遊び、新しいことをすることは、子どもの人生において基礎となる経験の一つといえます。子ども達は、「遊び」を通して彼らの世界を切り開いていきます。彼らは、この「遊び」という活動の中でさまざまな感覚を養い、環境を受け入れ、環境に適応して生活していく自信を獲得し、確信していくものです。
さらに、遊びの中で、「自分の意思で決定して動作する、もしくは移動する」ということは非常に重要なキーとなる要素です。
「動作」と「移動すること」 ..その重要性
友達について行く、母親の元に行く、自分で好きなおもちゃを取りに行くなど、動作も含めて、「動く」ということは、子どもの環境や生活の中で最低限必要とされる行動です。歩行器を使って自分で歩いたり、車いすを自分で操作したり、またはバギーに乗せてもらったり・・・とその手段は能力と要望に応じてさまざまです。
特に早期における動きのパターンや感覚は、その後の子どもの発達に大きく影響します。それぞれ個別の発達過程をとりますが、年齢に応じて「その時必要な動作、移動」を助ける用具を使うことで、こうした能力の獲得を促進してくれます。
「歩行」は移動の中でも最も高度な動きになります。そのため、障害の有無に限らず「自分で歩行すること」を達成した子どもは大きな自信を獲得します。この自信により環境に対応し、臆することなくさまざまな経験ができるようになり、社会の一員として適合していくのです。
さらに、歩くことはできなくても、車いすなどで「自分の行きたいところに自分で行くことができる」=「自分の意思で移動したいところを選択し、移動する」という経験は、子どもの自立性を伸ばしていく大きなきっかけとなります。
「遊び」や「日常生活での経験」を通し、感覚器の発達や環境への適応を無意識の内に促進していくことは、子どもの発達にとって非常に有効的なことです。子どもが自立する課程において、「動作」や「移動する」ということは「発達過程での基本的なゴールの一つ」と言えます。