小児福祉用具 車椅子/自操・介護 アクティブな方向け車いす

 
日野 賢一さん(茨城在住)株式会社 幸和義肢研究所

福祉事業部主任:

車いすでの生活をしていく上でのいろいろな情報が少なく大変でした。僕は自分で体験した分だけ、みんなにも話しができるから、いろいろ伝えてあげたいと思いますね。

■車いすとの出会いは?

自分が「まさかこうなる」とは夢にも思わなかった。脊髄損傷や頚椎損傷なんてまったく知らなかったし、車いすに乗っている若い人を見ても、「頑張れば歩ける人達が歩いていないだけなのだろう」って思っていたくらいですから精神的にはかなりきました。両親は僕が病院に運ばれた時、既に「歩けなくなる」と聞いていたみたいですが、僕が告知を受けたのは1ヶ月半ぐらい後でした。でも、1ヶ月もたてば、言われなくてもなんとなく分かったけれどね。


「歩けなくなる」って思った時は?
ベッド、お風呂、トイレなどへのトランスファーなど、身の回りのことを行う動作がすごく大変だった。入院した地元の病院では、当時、脊髄損傷のリハビリに何をやったらいいのか確立されていなかった。筋トレとお尻を上げるぐらいのもので、それもせいぜい10㎝程度。半年後、「ここにいても家にも帰れないし・・」と思い、いろいろ病院をみて、国リハに転院することにしました。

 

■車いすを使い始めた頃、大変だったことや苦労したことは?

 国リハのリハビリ初日、初めてPTの先生に会った時、「君は腰椎損傷なのでPTのリハビリはしなくてもいいけど、とりあえずベッドの上に乗ってみて」と言われてびっくりしました。「先生、僕、動けないですよ」と言ったら、「手伝うからやってごらん」と言われて・・・。ちょっとお尻を持ち上げた時に後ろからお尻を引っ張られて上に上っちゃったんです。「自分でもう一度やってごらん」と言われて、やってみたら、ひとりで上がれちゃったんです。「よし、来週からスポーツ訓練だけやってください」って言われてPTリハビリ終了。


その後、床から車いすに乗れるようになったし、お風呂に入れるようになって、すべてその応用で突然移動できるようになりました。やっぱりコツなんですよね。その週末に両親が見舞に来て、僕を見たら感動しちゃって。「来てよかったぁ」ってみんなで思ったね。

 

■初めての車いすは?

みんなと違う車いすに乗りたいって思っていたら、紹介されたアメリカ製の車いすのデモ機がショッキングピンク色だったんです。さすがアメリカの車いすだって思いつつ、これしかないって決めた。とても高額たったけど、交通事故の保険が下りたので、とりあえず好きなものに乗ろうって思ってましたから。当時、「アメリカの車いすなんてすぐ壊れる」ってみんなに言われたけど、未だに壊れてなくて、アフリカに帰る人にあげることにしました。

 

■その後の車いすは?

17年間で、僕はおもしろいほどたくさんの車いすに乗り換えていますね。こういう仕事でないとなかなかむずかしいですね、車いすは高いから。以前は家の中用とか外用とか使い分けていましたが、今はお気に入りの1台でどこにでも行き、車輪を拭かないでそのまま家に入ります。家の中に犬がいるので、犬用の掃除と一緒にやります。もちろん、すごい泥汚れとかある時は拭いてから家に入りますけど(笑)

 

 ■福祉機器の販売のお仕事で考慮されている点は?

営業でフィッテイングや修理などをしていますが、作業をする時は、必ず床に降りてやります。車いすのフィッテイングをする際は骨盤の位置をちゃんと奥まで入れてから調整したいので、車いすに乗ったままだとやり辛いですからね。僕の場合、坐骨がゴリゴリすると痛いから車いすで使っているクッションを床に敷いています。褥瘡予防ですね。車に機器を積んで搬入することが辛いですね、特に雨の日とか。かといって誰かをいつも一緒に連れていくわけには行かないし。

 

■今から、車いすに乗ることになるかもしれない人たちにコメントなど?

地元の病院で、初めて車いすに乗って先生と売店に行った時にはすごく嬉しかった。病室から出て自分で行けたってことが、新鮮だった。「すごい!僕、売店に来られたよ」みたいな。仕事で車いすユーザーに会った時、そのご家族には「車いす乗っている人から車いすを買う」ということで安心してもらえるみたい。みんな今後を心配している。「自動車に乗りたいけどどうしたらいいの」とか、情報がないじゃない。僕の時も何もなかった。僕、地元の病院にいた時には、でっかいおむつしていたの。父親が「車いすでもこんなに頑張って生きている人達」の本を見せてくれたけど、その人達は誰もおむつなんてしていないしさ。「なんでだろう」って思っても何も情報がない。国リハに行ったら「なんでおむつしているの?外しなさいよ」と言われたけど、何時(おしっこが)出るか分かんないし、おっかなくて。でも、外してみると意外と出なくて、ちゃんとコントロールできるようになってくる。そんなことも分からなかったから「一生おむつ付けてどっかの施設で過すんだろうか」って思ったこともあったよ。地元の小さな病院とかで、時々僕の若い時と同じような子がでっかいおむつ付けて動けないでいるのをみると、「病院とか、巡り合った人とかの影響でこんなに変わるのかな」って思うよね。僕は自分で体験した分だけ、みんなにも話しができるから、いろいろ伝えてあげたいと思いますね。

 

車いすユーザーストーリー


User's Storyに
登場いただいた皆様

 

 

上川 良二さん(長崎在住)
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久保 里司さん(長崎在住)
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高橋 洪善さん(大阪在住)
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吉川 光昭さん(静岡在住)
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