小児福祉用具 車椅子/自操・介護 アクティブな方向け車いす

 
吉川 光昭さん(静岡在住)

車いすショップ サンク:

車いすショップで働き、自分が車いすに乗っていることから、お客様に信頼してもらえることが仕事の上で励みになっています。

 

 

■車いすの生活になるって思った時は?

26歳の時バイクで仕事の移動中、事故を起こして頚椎の4番を損傷しました。座位をとるのも大変だったし、足を投げ出して座ることも数分しかできなかった。事故にあった時、「やっちゃった」って思ったけど、なんとなく脊髄損傷だと分かったし、車いすになるんだなって思って、ショックというより、どうやったらよりよく生活できるのかなって考え始めていた。おかしいでしょ。僕、変わっているから。もちろん親にはショックだったけど。

 

 ■車いすになるまでは?

当時、脊髄損傷に関しての治療データーもなく、救急病院の対応もあまりよくなくて、自立神経が回復せず、半年間寝たきりのだったのでリハビリが遅れた。リハビリも懸垂とか筋トレばかり。平行棒から前かがみになって立上がるのも、立上がる訓練ではなくて上肢の筋力アップを目的としたトレーニングでした。

 

病院では自分の体に合った車いすではなくていわゆる「ダンプカー」にずっと乗っていた。筋力アップのために車いすの後にタイヤを付けてキャスター上げなどもしました。病院の外の道路で、タイヤを引きずってトレーニングしていて、裏が女子高だったので恥ずかしい思いをしたり。1 年後に転院してまたリハビリを始めたけれど、筋力が付いていたのでトランスファーとか楽でしたね。その病院では、ある程度のレベルになると自由にさせてたので、食事も洗濯も自分でやり、お風呂も自由な時間に入って、自然に生活のペースを作りながら、車いすの操作も実際の生活に近い状態にできた。

 

実家に帰った時にはまだ僕を受入れる体制ができていなくて、いろいろ工夫しました。一気にトランスファーできないところに中継点を作ったり、日本家屋だったので、上がりかまちの上に家の中で使う車いすを置いて外用の車いすとそこで乗換えたり、と段階的に動くという方法をとった。

 

■初めての自分の車いすは?

実際に自分の車いすを手にしたのがその2年後。PTが採寸して決めた車いすです。アルミの車いすが出だした頃で、モジュラーなんてなかった。痙性が強かったので乗った車いすは全部2年も持たないで壊れてしまった。で、自費でアメリカのモジュラー車いすを購入して、それに乗りながら、前の車いすはどこが悪いんだろうかといろいろ考えていた。ナイロンベルトが揺れて、車いすがきしきし揺れて、車体が折れた。

 

アメリカの車いすに乗ってみてモジュラーの良さを感じました。身体状況が一番変化していく時期だったこともあり、体幹レベルが少しずつ改善されてくると、バックレストを低くしたりして体に合わせられた。自分の身体機能に合わせ、この機能は要らないなとか、これはちょっと付けたいな、とかして車いすもステップアップしていきました。

 

常に自分が使うシチュエーションを考えて車いすを構成していくことが重要だと思う。車いすでどんな生活をしていくかといういうことを考えながらその生活専用の車いすを作る。畑では普通の車いすだている靴と同じようであるべきだと思う。生活のレベルにもよると思いますが、車いすは、自宅用、運動モード、車載用など3台ぐらいあるといいなって思う。僕は車載用と運動用が一緒で、2台を使い分けています。

 

固定か折りたたみかなどのこだわりはないですね。固定の車いすは軽くて楽だけど、小さな車には積めない。何よりも壊れないってことが一番重要ですよね。フレームが壊れたら、僕らは一歩も外に出られなくなってしまうわけで、フレームは絶対壊れてはいけないと思います。僕は乗り方が激しいので、各社のフレームをすべて壊しいてます。幸い、このオットーボックさんの車いすは壊していませんし、一番長持ちしていますね。(笑)

 

■車いすでのお仕事って?

車いすでは直接行けないところがあるなどの制限もありますが、車いすに機能をつけるとか工夫をしてなるべく解決しています。工具バックなど重いものを運ぶ時はサスペンションをつけたりして仕事の時の姿勢が崩れないようにしています。自分がまず製品や部品を検証してからお客さんに車いすを紹介していますが、より良い判断をしてもらうためにあらかじめメリットとデメリットを伝えられます。当事者しか分からないこともアドバイスできるし、カタログでは分からない世界にも触れてみていただいて選択してもらう。モジュラーなので、その場で組直してまた乗ってもらったりもできます。自分が車いすに乗っているということで、お客様から信頼してもらえることが仕事の上で励みになっています。

 

初めて車いすを作る人って、車いすで生活が劇的に変化すことが分からないことが多いんですよね。軽いのがいいぐらいの要望をもたれる方はいるのですが、それ以上に期待する人はほとんどいない。実際に使ってからすごく感激していただくことが多いので、乗ってもらった後に、こうしたい、ああしたい、という要望や理想、夢なんかを持ってもらいたい。新しい車いすを作って、すごく
うきうきされている方の顔を見ることが僕の楽しみにもなってます。

 

■今、思うことは?

僕は毎日が小さい努力の積み重ねだと思っています。あえて家の中をバリアフリーにしないのは小さなリハビリをしているようなものです。過度になるとイヤですが、生活の中に継続できるレベルの障害を残しておくのもそのひとつですね。

 

 

車いすユーザーストーリー


User's Storyに
登場いただいた皆様

 

 

上川 良二さん(長崎在住)
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久保 里司さん(長崎在住)
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日野 賢一さん(茨城在住)
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高橋 洪善さん(大阪在住)
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